パワーって何? part 1 SFRから理解する力と速度の関係
そもそもパワーとは?
「パワーメーターの原理は?」をご説明するにあたり、そもそもパワーとは何か?をSFRを例にご説明していければと思います。
パワー=力 x 速度 で表すことが出来ます。自転車の場合、パワーはペダルを踏む力(力)とペダルを動かす速さ(速度)で決まります。
自転車を速く動かす(坂の場合持ち上げる)ために必要なパワーを知ることで、トレーニングの方向性を決めることが出来ます。
パワーは英語で表記すると下記になります。
パワー
自転車の場合、力はAEPF(平均実効ペダル踏力)、速度はCPV(円周ペダル速度)で表します。
力: AEPF(平均実効ペダル踏力)=ペダルにかかる力(単位: Nニュートン)
速度: CPV(円周ペダル速度)=1秒間にペダルが動く速度(単位: m/s メートル毎秒)
単位 | 自転車の場合 | 英語表記 | |
力 | N | AEPF | Force |
速度 | m/s | CPV | Velocity |
パワー | Watts | ワット | Watts |
※AEPFはAverage Effective Pedal Force、CPVはCircumferential Pedal Velocityの略
AEPF(N) x CPV(m/s)=POWER
青色はAEPF(N), 赤色はCPV(m/s), 黄色がパワー(Watts)になります。 青と赤をかけると黄色になります。
補足ですが、パワーを簡易的に説明するためにパワー=力 ✕ ケイデンス と表記していることがありますが、正しくは 力 x 速度=AEPF x CPV=パワーです。
パワーを上げるにはどうすればいいの?
パワー= 力 x 速度 ですから、パワーを上げるには力と速度を上げれば良いわけです。方法としては下記になります。
パワーを上げる方法
方法1.力(AEPF)を上げる ペダルにかかる踏力を増やす→ギアをかける。
方法2.速度(CPV)を増やす よりペダルを速く回す。→ケイデンスを増やす。
方法3.1.2.両方を増やす
「より重いギアを速く回す」これがパワーアップの大原則です。
今の時期によく行うSFR(低いケイデンスで重いギアを使い登坂を行う筋力トレーニング)と高回転走を例にとって説明します。
SFRでAEPF(力)を増やす。
SFRは10%前後の勾配の坂をギアをかけて登るトレーニングです。ケイデンスは60rpm以下の低回転。
このトレーニングの目的はAEPFの向上です。
上の図の赤色がAEPF(力: N)、青がCPV(速度: m/s)、緑がパワー(Watts)です。SFRは赤色のAEPFを増やすためのトレーニングですから、できる限り高い踏力でペダルを踏み込みます。
ちなみにこのトレーニングを行う時は正確にペダリングすることが最重要。クランクの軌道に対して正確にペダルを踏み、足は引っ張り上げない(必要以上に引き足を使わない)のが重要です。
高回転走でCPVを上げる
CPV速度を上げるトレーニングとして高回転走があります。これは1分前後軽いギアを使って足を速く回すトレーニングです。こちらも正確にペダリングすることが重要。上半身(特に骨盤)が暴れないように丸く回します。
このようにパワーを構成する2つの要素(AEPFとCPV)をそれぞれに鍛えパワーアップを狙います。鍛えたいターゲットにフォーカスすることで、最終的に重いギアを速く回すことを目指すわけです。
SFRを行う意味
「重いギアを速く回すなら1kmTTをすれば良いじゃないか?」と思うかもしれません。しかしそれだと筋力以外に心肺機能・精神的に大きな負荷がかかります。またターゲットのAEPFで6−10本も本数をこなすのは難しいです。AEPFを増やすのに必要なトレーニングボリュームが確保できないわけです。ですからAEPFはSFRで鍛え、CPVは高回転走で鍛えるといったように分離して鍛えるわけです。
こうやってより重いギアをより速く回せるようになることでパワーは上がります。
まずはパワーについて、力と速度の関係、AEPFとCPVの増やし方についてご説明したところで、次回はパワーの計測方法をご説明したいと思います。
中田尚志
参考
https://www.wko4help.com/terms-and-definitions
http://www.trainingandracingwithapowermeter.com/2010/04/other-quad_24.html

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